南武線撮影ガイド |
南武線は全体的に駅ホームや沿線道路が狭く、線路の敷地脇に建物が建っていることが多い為にどちらかといえば撮影が困難な部類の路線だと思います。そもそも撮影可能な箇所が少ない上に、その撮影地も狭くて定員が少ない、一般の方の通行の妨げになりやすい、線路脇の建物の影が入りやすい、上下線間にロープが張ってある、時期によって雑草が伸びて邪魔になる、フェンスが高く脚立が必要など問題のある箇所であることが多いです。近い時期にE233系が導入された埼京線や横浜線と比較すると南武線は相当に撮影しづらいです。また、いわゆる「串パン」とか「面串」、前面の横に架線柱、背景がゴチャゴチャしているなど一般的に鉄道写真で悪いとされる状況を完全にクリアできる撮影地はたぶんないと思います。 一般的に鉄道写真では駅ホームよりも沿線の方が良い撮影地が多いというイメージがありますが、南武線についてはどちらかといえば駅ホームの方がマトモな箇所が多いように思います。駅ホームで撮影の際には一般利用客の通行の妨げになったり、車両と接触の危険があるような行為をしない、乗務員の信号機や標識等確認を妨げる位置に立たないようにするなど沿線の一般道以上に注意が必要です。※2025年3月15日のダイヤ改正に伴う南武線のワンマン化のため、2022年より駅にホームドアや関連機器の設置が進められ、駅ホームでの撮影可能な箇所が大幅に少なくなりました。 なお、当サイトに載っている写真についてですが、その後建物が建った、フェンス等が設置された、草木が伸びた等により既に撮影ができなくなっている箇所も多々あります。また、それ以外でも脚立やカメラのライブビュー機能等を用いて特殊な姿勢で撮影したものや、混雑状況等により時間帯によっては撮影できない場所など撮影地には様々な状況がありますので、場合によっては諦めることも重要です。なお、雑誌等やインターネットに載っている撮影地でも、一般の歩行者や自動車の通行の妨げになりかねないような箇所が散見されます。 極端な表現をすれば鉄道の撮影自体が、公式のイベント等以外は個別に許可を取らない限り全てグレーゾーンです。そもそも鉄道事業者の所有物である鉄道車両を、勝手に鉄道施設や道路等から撮影していることがたまたま黙認されているだけです。不要なトラブルの無いよう心掛けたいものです(突き詰めればグレーゾーンというのは鉄道趣味に限らず社会全般に言えることですが)。駅係員や警察や警備員等の指導に対して「前は良かったのになぜ今回はダメなのか」などという形で強く抗議をしたり、従来黙認されているようなことの許可をめぐってわざわざ執拗に問い合わせすることは、その場所での「撮影禁止の徹底」という結果をもたらす可能性が高まるだけと思われます。 危険行為・迷惑行為を行う鉄道マニアに対しては、乗務員による警笛やハイビーム等を使用した注意喚起や、近隣住民等による警察への通報等が頻繁に行われているようですので、気を付けたいものです。 |
3Dレーザレーダ式踏切障害物検知装置について |
踏切において最近設置が進んでいる3Dレーザレーダ式踏切障害物検知装置は非常に感度が高く、遮断棒ギリギリに立っている一般の歩行者や自転車も障害物として検知して列車が減速や緊急停止している場合もありますので、踏切からの撮影の際は注意が必要です。自動車が通れる規模の踏切で地面から生えているタイプの障害物検知装置が無い場合は3Dレーザレーダ式踏切障害物検知装置があるとみて良いでしょう。下の写真のような装置が踏切付近の線路敷地内でコンクリート柱の上に取り付けられています。 ![]() |
光線状態等について |
googleマップ等で一目瞭然ですが、基本的には川崎〜向河原が南北方向、武蔵小杉〜立川が東西方向に走っていますので、おおむね上り列車が川崎〜向河原では午後に順光、武蔵小杉〜立川では午前中に順光となります。下り列車が順光になる場所は非常に少ないです。 また、線路の敷地のすぐ隣に建物が建っていることが多いため、特に冬場は大変影がかかりやすくなっています。 むしろ曇りの方が影が出ないばかりでなく下りも撮影しやすいため、南武線の撮影には曇りの方が好都合だと思われます。 |
撮影地ガイド(多摩川鉄橋) |
南多摩〜府中本町間に位置する多摩川鉄橋では、上り下りともに様々な構図での撮影が可能です。南側(稲城市)土手、北側(府中市)土手及び是政橋歩道のいずれの箇所からも撮影が可能であり、広さも相当余裕があるため混雑を気にする必要もほぼありません。 現地へは南多摩駅より府中街道か線路脇の道を通り徒歩10〜20分程度となります。 (注)撮影にあたり反社会的な行動は止めましょう。 ![]() 南側土手より撮影。午前中が順光となります。河原なので早朝以外はビル等の影がかかる心配もありません。 ![]() 北側土手より撮影。中途半端な逆光よりも夕方の完全逆光の方が撮りやすいです。 ![]() 是政橋より撮影。天候によっては背景に富士山を望むことも可能です。午前中は側面に光が当たります。 |
撮影地ガイド(その他) |
そのほかの撮影地としては、尻手駅(上り)がホーム端が広く比較的定員も多い上に影も入りづらいので有名なところでしょうか。 ![]() 尻手駅の作例。 |