2013年4月16日 / 東急5050系次世代ステンレス車輌「sustina」サハ5576登場


総合車両製作所(J-TREC・旧東急車輛)と東急電鉄が共同で開発した次世代ステンレス車輌「sustina」(サスティナ)の1号車であるサハ5576が、東急5050系の5176Fに1両だけ組み込まれる形で登場しました。4月16〜18日にかけて総合車両製作所から長津田まで輸送されています。

ステンレス車両としては今までにない、外板の継ぎ目が目立たない一見すると日立製のアルミ車A-trainのような外観が大変特徴的な車両となっています。また、車体構造も改良され従来型車と比較して0.5t軽量化されているようです。

今回は編成中の1両のみなので試作車という位置づけかと思われますが、今後東急電鉄や、JR東日本等の他社でも本格的に導入されていくのかどうか注目されます。

外観上の特徴としては

・雨樋が従来のような外に付き出した形状ではなく国鉄モハ90試作車のように屋根と側板の継ぎ目に一体化されたような独特のデザインになっています。なお、これによって、従来は雨樋部の全幅を狭めるために側板の上方が若干内側に傾いた台形の車体となっていましたが、側板が垂直になりました。

・従来のように外板の継ぎ目が折り重ねて段差になっている形状ではなく、溶接+研磨仕上げになっています。戸袋部と、ドア上に溶接跡が確認できます。外観としては東急7000系のドア上の溶接跡や、京王9000系、小田急1000・2000・3000形がカラー帯の下に隠している溶接跡と同じイメージだと思います。

・窓枠が従来のような外側に枠があるタイプではなく、内側に枠があるタイプになり目立たなくなりました。ただしこの点については京王8000・9000・1000系や小田急1000・2000形でも枠がアルミ製という違いはありますが、すでにステンレス車で同様に枠が内側にあって目立たないタイプは存在します。

・ドア開口部枠も従来のような外側に枠があるタイプではなく、内側に枠があるタイプになり目立たなくなりました。このような形状はステンレス車で他には例がなかったと思います。

・一見すると日立製アルミ車A-trainと同様の平滑な車体に見えますが、光のあたり方によっては従来のステンレス車と同等程度の車体外板の歪みはあるように見えます。




南東側より。妻面は縦のビートが復活しました。(2013.4.17 八王子) (拡大)





南西側より。(2013.4.17 八王子) (拡大)





北西側より。(2013.4.17 八王子) (拡大)





連結面を真横より。「ふち」が無い分、窓やドアの開口部が小さく見えますが寸法は同じようです。(2013.4.17 八王子) (拡大)





雨樋部付近の拡大。妻面と屋根・側板との角の接合部が付き出している構造は従来通りです。(2013.4.17 八王子) (拡大)





従来型車の雨樋部付近の拡大。(2013.4.17 八王子) (拡大)





上から雨樋部付近の拡大。(2013.4.17 八王子) (拡大)





上から従来型車の雨樋部付近の拡大。(2013.4.17 八王子) (拡大)





光の反射する角度によっては外板の戸袋部の溶接跡の線が見えます。(2013.4.17 八王子) (拡大)





光の反射する角度によっては外板のドア上部の溶接跡の線が見えます。(2013.4.17 八王子) (拡大)





窓に貼られた伝票等。(2013.4.17 八王子) (拡大)





屋根上のビードやキャットウォークの形状も若干従来型車とは異なります。(2013.4.17 八王子) (拡大)





従来型車の屋根上のビードやキャットウォーク。(2013.4.17 八王子) (拡大)





編成として見た場合もサハ5576のみ雨樋形状が違うので、JR西日本の103系N40更新車混結のように目立ちます。(2013.4.17 八王子) (拡大)



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